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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

両眼の緑内障手術後に生じたuveal effusionの1例

著者: 成瀬睦子1 島田宏之1 春山美穂1 浅山展也1 川村昭之1 湯沢美都子1

所属機関: 1駿河台日本大学病院眼科

ページ範囲:P.1265 - P.1268

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(P1-1-9) 66歳女性の両眼の慢性閉塞隅角緑内障と白内障手術に対して,超音波水晶体乳化吸引術,眼内レンズ挿入術,線維柱帯切除術が他医で行われた。3週後に脈絡膜剥離が生じ,脈絡膜下液排液後に再発して,手術から6か月後に紹介され受診した。両眼に強膜切除術を行い,網膜剥離と脈絡膜剥離は消失した。眼軸長は正常で,小眼球ではなかった。術中に切除した強膜は肥厚しており,強膜異常による蛋白流出障害がuveal effusionの原因であると推定した。赤外螢光眼底造影で脈絡膜血管の透過性亢進があり,この所見は手術後に軽快した。非小眼球であっても強膜に異常があると緑内障手術による侵襲でuveal effusionが発症しうること,そして緑内障手術後に脈絡膜剥離が遷延するときには強膜切除術が奏効することを本症は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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