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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

HIVプロテアーゼ阻害薬併用療法を行ったサイトメガロウイルス網膜炎の2症例

著者: 田口千香子1 池田英子1 疋田直文1 望月學1 田中健2

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2久留米大学医学部第1内科学教室

ページ範囲:P.1295 - P.1299

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(P3-1-2) 後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)に対してHIVプロテアーゼ阻害薬を併用したhighly active antiretroira therapy(HAART)を行い,抗サイトメガロウイルス(CMV)薬の中止後もCMV網膜炎(cytomegalovirus retinitis:CMVR)の再発を抑制できた2症例を経験した。いずれの症例もAIDSに対してHAARTを行い,CMVRに対してはガンシクロビルの全身投与を行いCMVRが鎮静化した。末梢血ウイルス量が測定限界以下となり,末梢血CD4陽性リンパ球数が症例1で55/μ1,症例2で253/μlとなった時点でガンシクロビル投与を中止し,以後半年以上CMVRの再発はない。HAARTによりAIDS患者の免疫能がある程度回復した結果抗CMV治療を行うことなくCMVRの再発予防が可能であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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