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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

軽微な眼球運動障害の検出に有用な新しいelectro-oculogram検査解析法

著者: 神垣久美子1 山田徹人2 向野和雄1 三橋祐美子2 杉本朝子2 松野彩子2

所属機関: 1北里大学医療衛生学部 2北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1321 - P.1326

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(P2-2-20) EOGで得られた眼位信号を、新たに開発されたソフトウェア(Turbo Pascal)を用いパーソナルコンピュータ(NEC9801E)に取り込み,往復のサッカードの実際の振幅と最大速度を記録した。さらにその関係を,指数関数曲線で近似した。正常者5名では,正面位から開始する外転速度と内転位から開始する2つの外転速度に有意差はなく,また内転速度も同様の結果を得た。すなわち,EOGの欠点である眼位の偏位によるクロストークの影響を最小限に抑えることが可能となった。そこで,肉眼的には診断のつかなかった外転運動障害を疑われた症例5例に対し,同様に記録解析した。4症例は,両側もしくは片側に軽微な外転速度の低下を認め,今回の解析方法が有用なことが示された。MLF症候群を疑われた症例1例は,新たに不全注視麻痺が検出されPPRFの障害が判明した。この方法は,日常用いるEOGの記録法として,患者のデータを正常者との一般的比較ではなく,微細な眼球運動障害を同一個体のデータ上から定量的に検出することを可能にした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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