文献詳細
臨床報告
文献概要
妊娠と分娩歴には異常がない4か月の女児が異常眼球運動を主訴として受診した。固視反応と対光反応はなかった。角膜を含む前眼部に異常はなく,視神経乳頭が両眼とも小さかった。網膜血管は後極部だけにあり,直線的で狭細であった。右眼には黄斑コロボーマ,左眼には黄斑反射が減弱し,形が不正であった。超音波検査による眼球と各部の大きさは正常範囲にあったが,両眼とも眼球後方に視神経がなかった。網膜電図は正常であったが,視覚誘発電位(VEP)は消失していた。X線検査で視神経管が細く,CTで視神経が欠如していた。頭蓋内には異常はなかった。以上の所見から,本例を無形成に近い重度の視神経低形成と診断した。
掲載誌情報