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非穿孔性濾過手術としてのsinusotomyの眼圧下降効果および合併症について検討した。対象は緑内障患者58例71眼(男性47眼,女性24眼)で,平均年齢は64.3歳(29〜83歳),緑内障病型の内訳は原発開放隅角緑内障44眼,正常眼圧緑内障8眼,原発閉塞隅角緑内障10眼,続発開放隅角緑内障5眼,発育異常緑内障2眼,嚢性緑内障2眼であった。これらに対してsinusotomyを施行し,経過を観察した。観察期問は98〜1,223日(平均609.6日),術前眼圧は平均23.0mmHg,術後最終観察時における眼圧は平均15.1mmHgであった。術中合併症はボタンホール3眼,強膜フラップの損傷1眼,前房穿孔3眼で,術後合併症が浅前房4眼,結膜創からの房水漏出が5眼であった。本術式は長期間にわたる十分な眼圧下降効果を示し,重篤な合併症のない安全な術式と考える。
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