icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻7号

1999年07月発行

文献概要

日眼百年史こぼれ話・7

全身麻酔か無麻酔か—コカイン以前

著者: 三島濟一

所属機関:

ページ範囲:P.1446 - P.1446

文献購入ページに移動
 Jacques Davielによる白内障摘出術(1745)で近代眼科手術が始まり,19世紀半ばにvon Graefeらにより眼科手術が大きく進歩した,というのが共通の理解になっている。では,今日の常識「麻酔と消毒」はどうか,をみると非常におもしろいことがわかる。
 白内障摘出術が,伝来の鍼による墜下法に取って代わるのに約100年を要したのは,上述の2点が原因だった。エーテル,クロロホルムによる全身麻酔の発明は1840年代後半で,消毒の概念は細菌学が発展する1860年以後のことである。したがって,それ以前の眼科手術は常に「痛み」と「感染の危険」と隣り合わせであったのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら