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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻7号

1999年07月発行

文献概要

臨床報告

YAGレーザー後嚢切開後の硝子体混濁

著者: 熊谷和之1 荻野誠周1 新城歌子1 出水誠二1 塩屋美代子1 上田佳代1

所属機関: 1新城眼科医院

ページ範囲:P.1459 - P.1462

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 眼内レンズ挿入後の後嚢混濁728眼にYAGレーザーによる後嚢切開を行った。101眼が糖尿病眼であり,627眼が非糖尿病眼であった。レンズ後方の硝子体の乳白色混濁が9眼(1.2%)に生じた。この9眼はすべて糖尿病眼であり,後嚢切開後1か月以内に生じた。9眼中8眼に硝子体手術を行い,良好な結果を得た。他の1眼での混濁は3か月後に自然吸収した。後嚢切開後の硝子体混濁は,糖尿病眼では8.9%,非糖尿病眼では0%であり,前者が有意に高率であった。(p<0.0001)。糖尿病101眼で,混濁が発生した9眼と発生しなかった92眼とを比較すると,前者で汎網膜光凝固の既往が多く(p=0.013),ヘモグロビンA1c値が高く(p=0.03),白内障手術から後嚢切開までの期間か短く(p=0.047),最終視力が低かった(p=0.045)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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