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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻8号

1999年08月発行

文献概要

臨床報告

網膜芽細胞腫に対する放射線療法,冷凍凝固後に発症した裂孔原性網膜剥離

著者: 井上真1 田中靖彦1 河合正孝1 仁井誠治1 桂弘2 金子明博3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2国家公務員共済組合連合会立川病院眼科 3国立がんセンター眼科

ページ範囲:P.1540 - P.1544

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 網膜芽細胞腫に対する放射線療法,冷凍凝固後に裂孔原性網膜剥離を合併した1例を報告した。症例は女児,生後4か月で両眼の網膜芽細胞腫と診断され,左眼には眼球摘出術,右眼には放射線療法を行った。その後,腫瘍が再発して温熱化学療法,冷凍凝固,光凝固を繰り返した。2歳9か月時に,併発した白内障に対し水晶体吸引術を行ったところ,網膜全剥離がみられた。硝子体手術を行い,後部硝子体剥離と石灰化した腫瘍周囲の硝子体網膜癒着を伴う凝固瘢痕部内に裂孔を発見した。網膜は復位し,再発もみられていない。網膜芽細胞腫の放射線療法や局所療法後には,裂孔原性網膜剥離の合併にも注意を払う必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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