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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻8号

1999年08月発行

文献概要

臨床報告

Cushing症候群による漿液性網膜剥離の1例

著者: 勝田聡1 鈴木純一1 田川博1 前田亜希子1 大黒浩1 中川喬1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1573 - P.1576

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 46歳の男性が両眼霧視で受診した。30歳から高血圧の治療中であり.肥満と満月様顔貌が顕著化してきた。副腎腫瘍によるCushing症候群と最近診断された。尿中のカテコールアミンと血中のACTHは正常値であったが,コルチゾール値が血液と尿で上昇していた。矯正視力は左右とも1.0で,両眼の眼底に漿液性網膜剥離があり,後極部では黄白色滲出斑が多発していた。フルオレセイン螢光造影で早期に過螢光,後期に網膜下の色素貯留があった。初診から5週間後に副腎腺腫摘出が行われ,2週間後にコルチゾール値が正常化し、漿液性網膜剥離は消失した。Cushing症候群で漿液性網膜剥離が発症しうることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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