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上斜筋の動的形態—MRI画像による観察
著者: 佐藤美保1 三宅養三1
所属機関: 1名古屋大学眼科
ページ範囲:P.13 - P.13
文献購入ページに移動 近年の画像診断の進歩により外眼筋の詳細な形態をとらえることができるようになった。眼位を変えながらMRI撮影を行うことにより,眼筋の収縮を観察することができる。
これは正常者の右眼上斜筋を,上方からMRI画像で観察したものである。上段の3組の画像では上斜筋腱が滑車部を通り眼球へ付着する状態が,下段の3組の画像はそれよりも低い位置でのスライスで,眼窩深部における上斜筋の筋腹の状態が観察できる。左側から上方視,正面視,下方視である。上斜筋腱は上方視においては,付着部が後方に動くため滑車部で鋭角に折れ曲がるのに対し,下方視においては,付着部が前方に動き,滑車でほぼ直角に屈曲する。一方,下段で見られるように,上斜筋の筋腹は眼窩内壁と内直筋の間に存在する。左側から上方視においては弛緩し,右側の下方視においては筋が収縮し太くなっているのがわかる。上斜筋麻痺患者の多くでは筋腹が萎縮し,このような眼位変化に伴う筋の収縮力は著しく低下している。
これは正常者の右眼上斜筋を,上方からMRI画像で観察したものである。上段の3組の画像では上斜筋腱が滑車部を通り眼球へ付着する状態が,下段の3組の画像はそれよりも低い位置でのスライスで,眼窩深部における上斜筋の筋腹の状態が観察できる。左側から上方視,正面視,下方視である。上斜筋腱は上方視においては,付着部が後方に動くため滑車部で鋭角に折れ曲がるのに対し,下方視においては,付着部が前方に動き,滑車でほぼ直角に屈曲する。一方,下段で見られるように,上斜筋の筋腹は眼窩内壁と内直筋の間に存在する。左側から上方視においては弛緩し,右側の下方視においては筋が収縮し太くなっているのがわかる。上斜筋麻痺患者の多くでは筋腹が萎縮し,このような眼位変化に伴う筋の収縮力は著しく低下している。
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