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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻1号

2000年01月発行

臨床報告

メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)による術後眼内炎の1例

著者: 鈴木正恵1 堀尾直市1 池間毅2 水上庸子2 寺崎浩子1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2稲沢市民病院眼科

ページ範囲:P.39 - P.44

文献概要

 83歳の男性に白内障手術が他医により行われ,その5日後に眼内炎が発症した。薬物療法は奏効せず,高度の前眼部炎と硝子体混濁が生じ,発症後4日目に紹介された。ただちに硝子体切除と眼内レンズ除去を行った。術中に,網膜上に膜状の白色塊,網膜前出血,強い眼内炎の所見があった。術後に炎症は寛解し,0.7の最終視力が得られた。摘出した眼内レンズからメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)が検出された。術直前の網膜電図では,律動様小波は消失していたが,b/a比は1.0以上であった。本症例では,臨床所見に比べて網膜電図で示される機能障害が軽度であり,硝子体切手術により視機能が改善したことと関係があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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