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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻1号

2000年01月発行

文献概要

臨床報告

隅角発育異常緑内障の手術成績

著者: 久保田敏昭12 高田陽介1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2国立長崎中央病院眼科

ページ範囲:P.75 - P.78

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 目的:最近の隅角発育異常緑内障の手術成績を検討した。
 対象と方法:手術後少なくとも3か月間経過を観察できた,隅角発育異常緑内障の21例33眼である。このうち牛眼は4例6眼で,隅角発育異常緑内障晩発型は17例27眼であった。牛眼に対してはトラベクロトミーを行い,晩発型に対しては14例20眼にサイヌソトミー併用トラベクロトミーを行い,6例7眼にはトラベクロトミーのみを行った。
 結果:牛眼の術前の平均眼圧は25.0mmHgで,術後の平均眼圧は12.7mmHgであった。サイヌソトミー併用トラベクロトミーを行った群の術前眼圧は29.5±7.5mmHgで,術後眼圧は14.2±4.3mmHg,トラベクロトミーを行った群の術前眼圧は29.1±6.4mmHgで,術後眼圧は13.4±3.5mmHgであった。併用群と非併用群では,最終観察時の眼圧に違いはなかったが,術後最高眼圧が術前眼圧より高い例が併用群で3眼.非併用群で2眼あり,非併用群で多い傾向があった。
 結論:隅角発育異常緑内障にはトラベクロトミーが有効で,サイヌソトミー併用は,眼圧コントロールにはあまり影響しないが,術後の一過性の眼圧上昇を抑制する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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