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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻1号

2000年01月発行

文献概要

臨床報告

飛蚊症の特徴と後部硝子体剥離

著者: 高野明枝12 長内泰子1 大西通広1 秋葉純3

所属機関: 1王子総合病院眼科 2東京女子医科大学眼科学教室 3旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.79 - P.82

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 飛蚊症を主訴として受診した118例136眼を対象に,飛蚊症の特徴と後部硝子体剥離との関係について検討した。病歴を詳細に聴取した後,前置レンズおよびゴールドマン三面鏡と細隙灯顕微鏡を用いて硝子体を検査した。136眼中102眼(75%)で後部硝子体剥離を認めた。50歳以上の108眼中100眼(93%)で後部硝子体は剥離していたが,50歳未満の28眼では2眼(7%)でのみ後部硝子体剥離を認めた(p<0.01)。また,耳側視野の陰影を訴えた96眼中86眼(90%)で後部硝子体は剥離しており,剥離した後部硝子体皮質上に輪状,線状,あるいは塊状の乳頭前環が観察された。
 一方,視野の中央に陰影を訴えた38眼では14眼(37%)でのみ後部硝子体剥離を認めた(p<0.01)。以上の結果から,耳側視野に1,2個の濃い陰影を自覚する50歳以上の症例では,後部硝子体剥離により生じた乳頭前環が飛蚊症の主因と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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