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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻1号

2000年01月発行

臨床報告

眼虚血症候群を示さなかった眼動脈閉塞の1例

著者: 島袋幹子1 大路正人2 青松市子3 福井健寛3 塚本浩子3 川口敏3 田中康夫3 西川憲清3 北西久仁子4 尾崎俊也5

所属機関: 1市立泉佐野病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室 3大阪警察病院眼科 4市立泉大津病院眼科 5幸循会OBPクリニック

ページ範囲:P.97 - P.101

文献概要

 48歳男性が5分間の左眼暗黒感を自覚し,その2週後に受診した。麻痺,構語障害,めまいなどの脳神経症状はなかった。視力は正常で,眼球運動や眼底には異常所見はなかった。網膜中心動脈圧は正常で左右差はなく,腕—網膜と網膜内の循環時間に遅延ないし左右差はなかった。脳血管撮影で左眼動脈は起始部から造影されなかった。眼窩ドプラ検査で左眼動脈の中枢側は眼窩内では描出されず,血液は外頸部動脈の涙腺動脈を経由して逆行性に流れていた。片側の眼動脈の完全閉塞があるにもかかわらず,眼虚血症候群が生じなかった例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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