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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻10号

2000年10月発行

臨床報告 カラー臨床報告

黄斑円孔眼とその僚眼における潜在的後部硝子体剥離

著者: 上村昭典1 内野英輔12 有馬知子12

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科学教室 2今村病院分院眼科

ページ範囲:P.1675 - P.1679

文献概要

 黄斑円孔の形成と後部硝子体剥離(posterior vitreous detachment:PVD)との関係を調べるため,特発性黄斑円孔症例32例を対象に,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)を用いて,黄斑円孔眼とその僚眼の後極部におけるPVDの発生状況を観察した。黄斑円孔1期と2期では,中心窩網膜と硝子体皮質との接着があり,その周囲に限局したPVDがあった。3期では蓋が硝子体皮質に付着した形で中心窩網膜から分離していた。さらに,検眼鏡的にPVDのない正常僚眼22眼のOCTによるPVDの形態は大きく3型に分類された。これらの所見から,中心窩における硝子体と網膜の接着異常が黄斑円孔形成の必要条件であり,それに中心窩周囲の潜在的PVDが加わることにより,中心窩網膜が垂直方向に牽引され,黄斑円孔が形成されると推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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