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臨床報告
前嚢切開形状と眼内レンズの偏位
著者: 原田幸子1 佐々木洋1 坂本保夫1 佐々木一之1
所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1687 - P.1691
文献購入ページに移動対象と方法:アクリルIOLを嚢内に固定した症例で,術後3か月以上を経過した79眼を対象とした。前嚢がIOL光学部を全周で覆っている31眼と,一部分被覆している48眼である。偏位は前眼部画像解析システムで計測した。
結果:IOL偏心量には両群間に差はなかった。IOLの傾き角は,全周被覆群1.69°,部分被覆群2.36°であり,両群間に有意差があった(p=0.012)。部分被覆群では,IOLの傾き方向と前被覆方向に正の相関があった(p<0.001)。
結論:前嚢がIOLの光学部全周を覆わない場合,IOLは前嚢被覆方向に傾斜する。
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