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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻10号

2000年10月発行

文献概要

臨床報告

マイトマイシンC併用トラベクレクトミー術後濾過胞からの晩発感染例の臨床的特徴

著者: 三宅正晃1 櫻井真彦2 土田覚3 井上治郎1

所属機関: 1井上眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室 3西葛西井上眼科病院

ページ範囲:P.1719 - P.1724

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 1993年11月から1995年12月に,マイトマイシンCを併用しトラベクレクトミー単独手術を施行した133例160眼,およびトラベクレクトミーと白内障手術との同時手術を施行した116例139眼,計241例299眼のうち,濾過胞からの晩発感染により細菌性眼内炎を発症した5例5眼の臨床的特徴を検討した。発症率は1.7%(5眼/299眼),術後から発症までの平均期間は5〜19か月(平均13.8か月)であった。発生前の濾過胞には房水の漏出(5眼中4眼),あるいは結膜上皮の欠損(5眼中3眼)のいずれかが認められ,両者とも眼内炎の危険因子と考えられた。トラベクレクトミー術後では,眼内炎発症を予防するために濾過胞の観察を続け,患者にもその危険性を認識させる必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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