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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻11号

2000年10月発行

文献概要

特集 眼科基本診療Update—私はこうしている 1.診断に必要な基本技術 眼底検査

光干渉断層計

著者: 飯田知弘1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.92 - P.94

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 はじめに
 われわれ眼科医は,日常臨床において10μmの精度で眼底を観察している。フルオレセイン蛍光眼底造影を行えば網膜の毛細血管レベルの病変を観察できるし,網膜中心動脈閉塞症などで血流が極端に遅いときには血管の中を移動する赤血球を見ることもできる。しかし,眼底を直接観察できても,その病理所見を得る機会はほとんどない。
 光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の登場により,非侵襲的に眼底の断面を光学顕微鏡で組織切片を見るかのように観察することが可能になった。OCTは,多くの眼底疾患で病態の解釈に新たな情報を提供し,さらには治療方針の決定や効果判定にも応用されてきている。解像度は,走査方向で20〜50μm,垂直方向で10〜20μmである。2000年4月現在,わが国で約70台が駆動している。
 OCTの原理,各種疾患の所見などについてはテキストや論文をみていただくこととし,本稿ではOCT画像を解釈する上での注意点と使用する際のコツを中心に述べる。なお,所見を正しく解釈するにはOCTの原理1,2)を理解していることが前提であり,さもないと思わぬ落とし穴に陥る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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