icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻11号

2000年10月発行

文献概要

特集 眼科基本診療Update—私はこうしている 2.治療に必要な基本技術 眼表面・角膜疾患の治療

角膜移植および羊膜移植の適応と注意点

著者: 島﨑潤1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院眼科

ページ範囲:P.214 - P.217

文献購入ページに移動
 角膜移植の適応
 角膜の役割は,大きく分けて,1)光を通す。すなわち,透明であること,2)光を屈折する。よく知られているように,角膜は水晶体の約2倍の屈折率を持っている,3)強膜とともに,眼球壁の一部を形成している,の3つがある。角膜移植は,これらの働きが損なわれ,かつ内科的治療でこれを治すことができないときに適応となる。具体的には,1)角膜が混濁したとき,2)角膜が光を正しく屈折しないとき——この2つは,いわゆる「光学的角膜移植」の適応であり,角膜実質炎やヘルペス角膜炎後の混濁,あるいは円錐角膜がその例となる。これに対し,3)角膜が穿孔したときに行われるのは「治療的角膜移植」にあたり,外傷,潰瘍の穿孔がその例となる。
 わが国の角膜移植で頻度の高い原因疾患は,1.角膜白斑,2.水疱性角膜症,3.再移植,4.円錐角膜である(図1)。特に水疱性角膜症は,内眼手術の増加とともに頻度が増加しており,白内障術後,硝子体手術後,レーザー虹彩切開術後に発症する例が増えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?