臨床眼科54巻11号

2000年10月発行

特集 眼科基本診療Update—私はこうしている

2．治療に必要な基本技術 水晶体疾患の治療

白内障術後乱視の原因と対処

著者： 宮田和典¹

所属機関： ¹宮田眼科病院

ページ範囲：P.238 - P.241

文献概要

　はじめに
　白内障手術は近年，超音波水晶体乳化吸引術および小切開用foldable IOLの開発により，飛躍的に安全性，正確性が向上した。それに伴い，術者は術後の高い視機能，良好な裸眼視力が要求されるようになってきた。そのためにも，数ある因子のなかでも直接的に術後視機能に影響を与える術後乱視対策を十分考慮しなければならない。
　本稿では，角膜乱視の術後視機能に与える影響，術前乱視を矯正するための多重手術，術後乱視の矯正法につき述べたい。