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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻11号

2000年10月発行

特集 眼科基本診療Update—私はこうしている

2.治療に必要な基本技術 ぶどう膜疾患の治療

原田病の治療

著者: 山木邦比古1

所属機関: 1秋田大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.305 - P.306

文献概要

 原田病の治療には的確な診断
 原田病の診断は比較的簡単であると考えられがちであるが,臨床症状・所見だけからでは,ときとして診断に苦慮することがある。また統一された診断基準も確立されていない。しかしながら治療を遅らせることは原田病の治療にとっては重大な支障をきたすことがある。このことから原田病を疑わせる患者に対しては脳脊髄液検査,ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)の遺伝子型などを積極的に調べる必要があると思われる。脳脊髄液検査は必ずしも必要ではないとする考え方もあるが,特段の支障がない限り全例に施行することが望ましい。またHLAの遺伝子型はSRLなどの商業検査機関にても実施しているので,自費ではあるが依頼することができる。
 脳脊髄液の細胞増多は原田病患者の約90%以上に認められ,またHLAの遺伝子型は日本人ではHLA DRB1*0405が原田病患者の90%以上にみられる。したがって臨床症状に加えてこれらの検査所見が陽性であれば,原田病の診断は極めて精度の高いものとなる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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