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連載 眼科手術のテクニック・131
黄斑移動術における網膜剥離作成
著者: 白神史雄1
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1775 - P.1777
文献購入ページに移動 最近,脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)の治療として黄斑移動術が期待されている。網膜全周切開黄斑移動術と強膜短縮黄斑移動術があるが,いずれにしても中心窩の感覚網膜をCNVのない網膜色素上皮上に移動させることは理想的な網膜色素上皮移植ともいえる。手術がトラブルなく終了し,増殖硝子体網膜症などの術後合併症もなく経過すれば,読書視力の獲得の可能性が最も高い治療法である。この手術における手技の上でのいくつかのステップのなかで,最も厄介なのは網膜剥離の作成である。強膜短縮黄斑移動術のほうでは,このステップさえクリアできれば,手術は終了したに等しい。この特殊なテクニックを,この項には不適切かもしれないが,最近試みてみようという術者が少しずつ増えているので,今までの筆者の経験をもとに紹介したい。
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