文献詳細
臨床報告
文献概要
71歳の女性が1週間前からの両眼視力障害で受診した。糖尿病が21年前からあり,胃癌手術に続発した腸閉塞のために3か月前から静脈内高栄養輸液(IVH)を受けていた。18日前に敗血症と肺炎が発症した。尿から真菌,喀痰から緑膿菌とMRSAが検出されていた。矯正視力は右0.04,左0.01で,両眼眼底に白色斑が播種状に分布し,真菌性眼内炎と診断した。全身状態が不良なため,フルコナゾールを1日量200mgで点滴した。10日後に眼内炎は軽快をはじめ,6週後には寛解した。最終視力として,右0.6,左指数弁となった。進行性の真菌性眼内炎に薬物療法が有効である場合があることを示す症例である。
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