icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床報告

角膜移植・眼内レンズ挿入術後に難治性眼内炎を発症した2症例

著者: 田村寛1 吉田宗徳1 陶山洋志1 近藤武久1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.1791 - P.1795

文献購入ページに移動
 72歳男性が右眼水晶体摘出術と眼内レンズ移植術を9年前に受けた。続発した水疱性角膜症に対して全層角膜移植が17か月前に行われた。角膜炎を伴う眼内炎が今回診断された。角膜擦過標本の培養は陰性であった。バンコマイシンの点眼と結膜下注射と,これに続く硝子体手術で臨床的治癒が得られた。67歳男性が右眼線維柱帯切除術を5年前に受け,続発した水疱性角膜症に対して全層角膜移植および白内障手術がその22か月後に行われた。真菌性角膜炎が4か月前に発症し,当科を受診した。バンコマイシン点眼で角膜炎は治癒した。今回の2症例は,広域抗生物質とステロイド薬が長期にわたって使用された後の難治性の角膜感染症に対してバンコマイシンの局所療法が有効であることを示す事例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?