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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床報告

白内障術後に多発性後極部網膜色素上皮症をきたした1例

著者: 勝田聡12 山本修一1 竹内忍1

所属機関: 1東邦大学医学部附属佐倉病院眼科 2札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1801 - P.1804

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 46歳の男性を,両眼水晶体亜脱臼にて経過観察していたが,徐々に右眼水晶体偏位が強くなり,1999年4月19日に,右眼水晶体嚢内摘出術および眼内レンズ毛様溝縫着術を行った。術前眼底は異常なく術中合併症もなかったが,術後4日目に右眼後極部に漿液性網膜剥離と色素上皮剥離を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影では両眼に多発性の過蛍光がみられ,多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)と診断した。蛍光漏出点に対して光凝固を行い,漿液性網膜剥離と色素上皮剥離は消失した。インドシアニングリーン蛍光眼底造影では両眼の脈絡膜の循環障害がみられた。本症例は白内障手術による直接的,間接的ストレスが誘因となり,脈絡膜の一過性虚血が生じ,MPPEが発症したと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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