臨床眼科54巻12号

2000年11月発行

臨床報告

高度近視眼の深部沿血管裂孔から生じた網膜剥離の3例

著者： 奥道秀明¹ 正化圭介¹ 山本由香¹ 清水律子¹ 皆本敦¹ 三嶋弘¹

所属機関： ¹広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.1805 - P.1808

　後部強膜ぶどう腫を有する高度近視眼で，深部大血管近傍の裂孔から生じた網膜剥離の3例3眼を経験した。全例に硝子体手術を行い，硝子体手術中の共通の所見として，後部強膜ぶどう腫内および近傍の網膜血管周囲に強い硝子体網膜癒着を認めた。硝子体収縮に伴う牽引が加わることによって，裂孔が形成され網膜剥離を生じるものと考えられる。このような症例では，硝子体手術による確実な硝子体網膜牽引の除去が効果的と考える。