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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床報告

再発性角膜上皮下混濁sine adenovirusの1例

著者: 伊藤恵子1 松浦範子1 内尾英一2 青木功喜3 大野重昭1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室 2横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター眼科 3青木眼科

ページ範囲:P.1823 - P.1827

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 アデノウイルス結膜炎の結膜炎所見消失後に,上気道感染に伴って角膜上皮下混濁の再発がみられた症例を経験した。症例は60歳の男性で,両眼性急性濾胞性結膜炎を発症し,結膜擦過物から免疫クロマトグラフィー法でアデノウイルスが検出された。発症6か月目に角膜上皮下混濁はほぼ消失したが,初発時から10か月後に上気道感染を発症した。この際,ウイルス性結膜炎の所見を伴わずに両眼に角膜上皮下混濁が再発した。再発時にアデノウイルスは分離されなかったが,アデノウイルス3型および8型中和抗体価は上昇した。詳細な発症機序は不明であるが,アデノウイルス結膜炎の晩発性合併症として,角膜上皮下混濁再発への注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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