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臨床報告
新たに考案した視力検査用視標
著者: 藤井良治1
所属機関: 1大阪労働衛生センター第一病院眼科
ページ範囲:P.1905 - P.1909
文献購入ページに移動 従来,一般に使われてきた視力検査の視標は,基準視標のランドルト環に限らず,すべて図形としての方向性を有しているため,1つの視力段階の視標のうち,どの視標を選ぶかによって識別上の難易の差が生じ得る。特に乱視の場合はこの傾向が生じやすい。この欠陥を除くため,全く方向性のない視標を新たに考案した。これは,1重の円と2重の円を組み合わせたものを1つの視標とし,2重の円がどこに配置されているかを判別させるものである。774眼について,この視標による視力と,ランドルト環だけによる視力とを比較したところ,両者の間には明確な相関があることが確かめられ,本視標が実用性に富むことを認めた。
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