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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

臨床報告

結核患者の右眼にみられた虹彩結節の1例

著者: 秋澤尉子1 田中明子1 高橋哲也2 岡本加奈子3

所属機関: 1都立荏原病院眼科 2宮田眼科病院 3千葉西病院眼科

ページ範囲:P.1925 - P.1928

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 49歳の男性肺結核患者の右眼に,結核治療開始7か月を経てのち,結節性虹彩炎が出現した。初診時は6時および12時部瞳孔縁に小結節が認められた。散瞳後,6時の虹彩裏面からカリフラワー状の多房性結節が前房中に出現した。既往歴から結核性を疑い,前房水を採取し,抗酸菌培養とPCR法にて検索したが陰性であった。すでに抗結核薬の投与を受けていたためステロイド点眼薬と散瞳薬を投与した。4か月後,結節のあった瞳孔縁に虹彩後癒着を残し,治癒となった。眼結核は右眼に多く,右片眼性の結節性虹彩炎は結核の可能性がある。結核は,内服開始後3か月を経過すると菌は検出できない。治療的診断であろうと,投薬前に菌の検査が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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