文献詳細
文献概要
特集 診断と治療の進歩—第53回日本臨床眼科学会シンポジウム
総合討論・Ⅱ:紙上発言
著者: 阿部春樹1 安藤文隆2 荻野誠周 栗原秀行3 桑山泰明4 谷原秀信5 山本哲也6
所属機関: 1新潟大学眼科 2国立名古屋病院眼科 3栗原眼科病院 4大阪厚生年金病院眼科 5天理よろづ相談所病院眼科 6岐阜大学眼科
ページ範囲:P.164 - P.169
文献購入ページに移動虚血網膜組織より産生されたVEGFをはじめとする血管新生因子は,硝子体腔を経て,網膜のみならず虹彩や隅角の血管新生と,線維性血管膜の発生を誘導する。現在のところ,これらの血管新生の抑制には基本的に光凝固しかないのが現状であり,虚血網膜を間引き,残りの網膜に脈絡膜からの酸素の拡散を促進させて,相対的に網膜の虚血を改善することが重要である。線維性血管膜による虹彩前癒着に伴う隅角閉塞を防ぐには,隅角のルベオーシスが消失するまで徹底的に光凝固を行うことである。
掲載誌情報