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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

糖尿病黄斑症に対する光凝固の適応と限界

著者: 大越貴志子1 草野良明1 四蔵裕実1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.367 - P.371

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(R2-7PM−22) 糖尿病黄斑浮腫54例75眼に対して黄斑局所光凝固を行い,5年以上の長期経過を観察した。視力改善は,びまん性浮腫の48%,局所浮腫の21%で得られ,黄斑浮腫は87%で消失した。0.7以上の最終視力は35眼(47%)で得られ,その背景因子は,尿蛋白(−)(P=0.005),高度の黄斑沈着なし(P=0.01),嚢胞様浮腫なし(P=0.03)であった。0.2以下の最終視力は18眼(24%)であり,その背景因子は尿蛋白(3+以上)(P=0.002),高度または中心窩の黄斑沈着(P=0.001),嚢胞様浮腫(P=0.01)であった。光凝固前の視力が0.7以上の症例では77%が最終視力0.7以上に,0.2以下の症例では47%が最終視力0.2以下になった。以上の成績は,良好な最終視力を得るためには早期の黄斑局所光凝固が必要であること,腎症や高度の黄斑沈着が予後不良因子であることを示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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