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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

ステロイド懸濁液の鼻腔粘膜内注射直後に片側の網膜および脈絡膜血管塞栓がみられた1症例

著者: 高木康宏1 木許賢一1 今泉雅資1 中塚和夫1

所属機関: 1大分医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.413 - P.415

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(P−1-125) 49歳女性が嗅覚障害の治療として,酢酸メチルプレドニゾロン懸濁液0.5mlの左鼻腔内注射を受けた。その直後から左眼の暗黒感と複視が生じ,その10分後に眼科を受診した。左眼視力は1.2で,眼底の網膜血管末梢に多数の塞栓があり,周囲に軟性白斑があった。橙色の点状病巣が眼底後極部の深層にあり,脈絡膜血管の塞栓と診断した。1週間後,これら眼底病変は特発性に消失し,他の異常も生じなかった。鼻腔内に注射したステロイド懸濁液が血管に入り,網脈絡膜血管の塞栓を起こしたものと解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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