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臨床報告
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脊髄小脳変性症患者63人106眼を7群に細分化し,角膜内皮細胞密度と網膜電図を検索した。白内障以外に眼疾患のない43人78眼を対照とした。患者の平均年齢は各群で40歳台から50歳台であり,各群の間に有意差はなかった。角膜内皮細胞密度は,spinocerebellar ataxia type 1(SCA1)とdentatorubropallidoluysian atrophy(DRPLA)の2群で他の群よりも有意に低下していた。網膜電図はすべての群で律動様電位(OP)1が有意に増加し,SCA1でのOP2とOP3の振幅が対照より有意に低下していた。SCA1に属する4人7眼には視神経萎縮のある症例があったが,他は検眼鏡的に網膜は正常で矯正視力も良好であったため,網膜内層に何らかの障害が存在することが推測された。
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