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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

難治性アカントアメーバ角膜炎の病態からの診断,治療

著者: 山田利津子1 上野聰樹1 南早紀子1 渡辺達磨1 宮本豊一2 原沢功2 藤田紘一郎3 月舘説子3 山田誠一3

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室 2聖マリアンナ医科大学細菌検査室 3東京医科歯科大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.543 - P.547

文献概要

(R1-8AM-8) 両眼性アカントアメーバ角膜炎6例を経験した。全員が女性で,ソフトコンタクトレンズ装用者であった。角膜擦過標本またはその培養から,Acanthamoeba(ll群)の嚢子または栄養型が全例で検出された。角膜掻爬,ミコナゾール点眼,シソマイシン点眼,チニダゾール内服を行い,全例で視力が改善した。4匹の有色家兎の角膜実質内に嚢子懸濁液を接種して実験的アカントアメーバ角膜炎を作成した。組織学的に,角膜,結膜,毛様体,硝子体内に炎症性細胞と栄養型アメーバが検出され,栄養型原虫が角膜以外の組織にも侵入している所見が得られた。これがアカントアメーバ角膜炎が遷延し,局所治療に抵抗する原因の1つであると解釈された。本症には,早期発見と適切な薬物の全身投与が重要であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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