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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

小切開白内障手術後隅角色素散乱

著者: 松島博之1 泉雅子1 吉田紳一郎1 千葉桂三1 鈴木重成1 小原喜隆1

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.549 - P.552

文献概要

(R1-8PM-16) 術後炎症管理のために隅角への侵襲の程度を色素散乱(pigment dispersion)を指標に検討した。獨協医科大学附属病院眼科において小切開白内障手術を行った63症例86眼を対象に,術前,術後に隅角を観察し,Scheie分類でその程度を判定した。術後に隅角部色素に変化のみられなかった無変化群48眼,増加した増加群38眼についてその発生要因を検討し,眼圧,角膜内皮細胞数フレア値の変化を解析した。
 その結果,隅角色素散乱の要因として,手術時間,眼内レンズの種類,糖尿病,術前の隅角部色素沈着の存在が考えられた。術後に色素沈着が増加した群では,フレア値が観察期間を通して統計学的に有意に増加していた。以上より,術後に隅角色素散乱を増加させる要因が存在する場合は,消炎を主体とした管理が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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