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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

放射線療法が奏効した転移性脈絡膜腫瘍のインドシアニングリーン蛍光眼底造影所見

著者: 片山俊江1 大橋千尋1 小澤勝子1

所属機関: 1名古屋市立東市民病院眼科

ページ範囲:P.557 - P.561

文献概要

(R1-9AM-12) 53歳の女性が左眼の霧視で受診した。42か月前に両側の乳癌手術を受け,6か月前に胸膜転移が発症した。右眼に6乳頭径大,左眼に4乳頭径大の黄白色隆起性腫瘤があり,いずれにも漿液性網膜剥離が併発していた右眼ではこの他に2乳頭径大の腫瘤を2か所認めた。乳癌の脈絡膜転移と診断した。総線量40Gyの放射線照射後,腫瘍は平坦化し,網膜剥離は消失した。照射終了9日後のフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)では,造影初期にあった腫瘍部の低蛍光領域が減少し,後期の色素漏出はほぼ消失した。照射終了1か月後のインドシアニングリーン蛍光眼底造影(lA)では,治療前に腫瘍でブロックされていた脈絡膜血管が造影初期から観察され,治療前の造影後期にあった腫瘍の辺縁部の輪状過蛍光が消失した。FAは網膜色素上皮の障害と修復,lAは治療後の腫瘍の消失と脈絡膜の血流改善を知るのに有用であることを示す所見である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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