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特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著
線維柱帯切除術後の角膜不正乱視のフーリエ解析
著者: 前野亜矢1 林研1 大鹿哲郎2 林英之3 林文彦1
所属機関: 1林眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室 3福岡大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.587 - P.590
文献購入ページに移動症例と方法:同一術者により初回の線維柱帯切除術を受けた40例40眼を対象とした。原発開放隅角緑内障20眼,落屑緑内障17眼,原発閉塞隅角緑内障3眼であり,有水晶体眼18眼,偽水晶体眼19眼,無水晶体眼3眼である。術後1年まで,角膜中央3mm領域の形状をTMS-1で検査し,屈折力をフーリエ解析して,球面度数,2次正乱視,1次非対称乱視高次不正乱視の各成分を算出した。
結果:角膜の球面度数成分と2次正乱視成分は,観察期間を通じて変化しなかった。角膜不正乱視を示す1次非対称乱視成分は,術後有意に増加した後,術後12か月までに術前の値に回復した。高次不正乱視成分も一過性に増加した。
結論:線維柱帯切除術後に,角膜不正乱視成分,特に1次非対照乱視成分は有意に増加し,術後12か月までに術前の値に回復する。
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