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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

長期眼内異物の1例と分析電顕所見

著者: 青沼秀実1 増田光司1 青島明子1 村中祥悟2 津島一晃3

所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室 2浜松医科大学超微形態系 3富士宮市立病院眼科

ページ範囲:P.613 - P.617

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(HD-9AM-1) 45歳男性が左眼霧視で受診した。26年前にポンチをハンマーで叩いていたときに異物が左眼に入ったが,無症状であり,放置していた。左眼矯正視力は0.5,眼圧は当初41mmHgで,薬物治療後にも28mmHgであった。左眼に白内障があり,上鼻側の眼底に腫瘤塊があった。CTで高輝度の金属性異物様の所見があった。白内障手術と硝子体切除を行い異物を摘出し,眼圧の下降が得られた。摘出した異物周囲の被膜には,透過電顕で線維芽細胞,コラーゲン,高電子密度の沈着物があった。X線分光測定spectrometryで,鉄,リン,塩素が高電子密度の部位に一致して検出された。異物がコラーゲンの被膜に覆われ,鉄がマクロファージなどに取り込まれていたことが,長期間無症状で経過した原因であると推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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