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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

白内障術後屈折度と自覚的満足度の調査

著者: 高原真理子1 矢野啓子1 長野悦子1 吉村宏子2 木ノ内智賀子2 野口説子2 平山信隆3 本多仁司4

所属機関: 1東京都立大久保病院眼科 2東京都立大久保病院 3平山眼科医院 4湯河原厚生年金病院眼科

ページ範囲:P.623 - P.627

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(P-1-58) 白内障手術と眼内レンズ挿入術を両眼に受けた172名にアンケート調査を行った。術後の屈折は,−3.0D以上13名,−3.0D〜−1.0D55名,−1.0D以下104名であった。144名(84%)が術後の屈折に満足であると答えた。6%の人が遠見障害(平均屈折度−2.1D),10%の人が近見障害(平均屈折度−0.2D)を訴えた。屈折が−1.0Dより強い近視者の96%が裸眼で新聞を読めた。−1.0D以下の近視者では,新聞が読めない訴えと近見障害が増えた。裸眼での遠方視力が0.6以上で,新聞が読め,眼鏡を必要としない症例は33名で,その左右眼の平均屈折度は,プラス寄りの眼が−0.4±0.5D1マイナス寄りの眼が−1,0D±0.6Dであり,左右差として1.5D以内が許容範囲と思われた。術後に眼鏡装用を望まない白内障患者では,第一眼での術後屈折を−1.0Dと意図し,その結果により第二眼に多少の差をつけて調整することが望ましいと判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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