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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻4号

2000年04月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

視交叉部および周辺に肥厚性硬膜炎を認めた1例

著者: 石井敦子1 石井正三1 高萩周作2 尾田宣仁23

所属機関: 1石井脳神経外科・眼科病院眼科 2石井脳神経外科・眼科病院脳神経外科 3石井脳神経外科・眼科病院神経内科

ページ範囲:P.637 - P.641

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(P-1-84) 62歳男性が左眼視力低下で受診し,その翌日に右眼霧視が生じた。2年前に両側の末梢性顔面神経麻痺を発症し,ステロイド投与で軽快している。矯正視力は右1.0,左0.01であり,左眼視野の高度狭窄があった。ガドリニウム増強磁気共鴫画像検査(MRl)で視神経,視交叉,下垂体が強く造影され,斜台硬膜に肥厚があった。血中のアンギオテンシン交換酵素が高値を示した。サルコイドーシスと診断し,副腎皮質ステロイドの全身投与で3週後に視力と視野は改善した。6か月後に左眼視朦が再発した。開頭手術で,視神経周囲の肥厚した硬膜を剥離した。ステロイド投与を併用し,左眼視力は正常化した。摘出硬膜は線維性に肥厚し,慢性非特異的炎症細胞の浸潤があった。サルコイドーシスに続発した頭蓋底部の肥厚性硬膜炎と診断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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