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連載 眼科図譜・369
MALTリンパ腫と診断された結膜腫瘍の1例
著者: 山田加奈子1 田村卓彦1 木村保孝1 岸章治1 平戸純子2
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室 2群馬大学医学部第1病理学教室
ページ範囲:P.762 - P.764
文献購入ページに移動Mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)は,外界からの抗原刺激により粘膜下に後天的に形成されたリンパ組織を指す。MALTは局所免疫を司る粘膜固有のリンパ組織で,小腸粘膜におけるパイエル板がその典型で,他に呼吸器,泌尿器,唾液腺,結膜などが知られている1,2)。結膜には出生時にリンパ組織がないが,生後2〜3か月でリンパ組織が発達する。MALTを発生母地とする悪性リンパ腫は,1983年にIssacsonら2)により提唱された。この腫瘍の原発部位としては,消化管,甲状腺,唾液腺,肺などが知られているが,結膜の報告は少ない。筆者らは春季カタルとして3年以上経過観察され,生検によって結膜原発のMALTリンパ腫であることが判明した1例を報告する。
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