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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

小児の視神経炎に網膜前出血を併発した多発性硬化症の1例

著者: 篠原泉1 田中稔1 篠崎久美2 金子堅一郎2

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科 2順天堂大学浦安病院小児科

ページ範囲:P.803 - P.806

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(G−8AM−15) 4歳の女児が高熱,意識障害とけいれん発作ののち複視を生じて受診した。矯正視力は右0.6,左0.7で,右眼に上斜視があり,水平眼振があった。眼底などには異常はなかった。小脳症状,滑車神経と聴神経麻痺,脳の画像診断などから多発性硬化症が疑われた。ステロイド薬の全身投与開始2週後に左眼痛が生じた。左眼に視神経乳頭炎と網膜静脈の蛇行があり,その2日後に左眼後極部一帯に網膜前出血が生じた。さらにその1か月後に右眼に視神経乳頭炎が発症した。ステロイド薬の全身投与を続けた。両眼とも最終的に寛解し,視力が回復した。左眼の網膜前出血は網膜血管炎によると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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