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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

白内障手術による角膜不正乱視の変化

著者: 田邊樹郎1 大鹿哲郎2 天野史郎2 富所敦男2 鮫島智一3 宮田和典3

所属機関: 1NTT東日本関東病院眼科 2東京大学医学部眼科学教室 3宮田眼科病院

ページ範囲:P.821 - P.824

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(R1-8PM−4) 角膜形状解析装置で測定した投影リング上の屈折力データ列をフーリエ変換し,角膜中心約3mmでの球面成分,正乱視成分,不正乱視成分(非対称成分,高次不正乱視成分)を分離定量する方法で,白内障手術後の角膜不正乱視を定量的に検討した。対象は老人性白内障患者60名60眼で,6.0mm強膜切開創,4.1mm強膜切開創,3.5mm強膜切開創の3群に各20眼ずつ無作為に振り分けて手術を行い,術前,術後1か月の2点で解析した。6.0mm切開創群で正乱視(p=0.026, paired t-test)と高次不正乱視成分(p=0.018)が有意に増加していたが,他の群では手術による有意な変化はみられなかった。術前からの変化量を3群間で比較したところ,高次不正乱視成分において3群間に有意差が認められ(p<0.05,一元配置分散分析),6.0mm切開創群の値が4.1mm切開創群より高い値であった(p<0.05,Bonferroni検定)。以上の結果から,創口幅により角膜正・不正乱視の惹起量が異なることが結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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