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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

真菌性眼内炎の起因菌におけるフルコナゾール耐性Candida属の増加

著者: 草野良明1 大越貴志子1 佐久間敦之1 安田明弘1 折原雄一1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.836 - P.840

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(R1-9AM−2) 1995年から1999年までに当院眼科で精査した真菌血症20例について,起因真菌,眼内炎合併の有無,使用した抗真菌薬,予後などを調査し,1988年から1990年までの真菌血症19例と比較検討した。1988年から1990年までの19例の真菌血症の9例11眼(47%)で真菌性眼内炎を認め,起因菌はいずれもCandida albfcansであり,全例フルコナゾールもしくはミコナゾール投与にて治癒した(1例1眼で硝子体手術を併用)。一方,1995年から1999年までの真菌血症20例中,16例31眼(80%)で真菌性眼内炎を認めた。起因菌としてフルコナゾール耐性のC.albicans (2例)や,C.albicans以外のCandida属(9例)が増加し,63%で治療にアンフォテリシンB投与による治療を要した(2例3眼で硝子体手術を併用)。今回の検索により,近年,フルコナゾール耐性のC.albicansやnonalbicans candida属による真菌性眼内炎が増加していることが判明した。今後,真菌性眼内炎起因真菌の薬剤感受性を考慮した治療薬の選択がより一層大切であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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