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特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著
糖尿病黄斑浮腫での硬性白斑の局在
著者: 大谷倫裕1 岸章治1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.861 - P.865
文献購入ページに移動(R2-8PM−11)) 糖尿病黄斑浮腫への硝子体手術後,硬性白斑が中心窩に沈着した10眼に対し,それが網膜のどの層に局在するか光干渉断層計OCTによって検索した。硬性白斑は強い反射巣として描出された。硬性白斑は10眼中5眼では網膜内にあり,その前方の境界は網膜表面に接していた。この5眼の最終平均視力は0.3であった。残りの5眼では硬性白斑は網膜内だけでなく網膜下腔にも沈着しており,網膜色素上皮と一体化したプラーク状の高反射帯として観察された。これらの5眼では,術前からあるいは術後に漿液性網膜剥離が観察された。2眼では,硬性白斑を示す高反射巣が剥離した網膜と色素上皮を架橋していた。これらの5眼の最終平均視力は0.08であった。硬性白斑は主に網膜内に凝集するが,中心窩の漿液性網膜剥離を伴う例では網膜下にも沈着することがあり,視力予後が不良である。
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