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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

脳内多発性肉芽腫症が疑われた網脈絡膜炎の1例

著者: 安宅伸介1 白木邦彦2 井上一紀3 成瀬裕恒4

所属機関: 1大阪市立十三市民病院眼科 2大阪市立大学医学部眼科学教室 3東住吉森本病院眼科 4東住吉森本病院脳神経外科

ページ範囲:P.913 - P.917

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(P−1-133) 57歳男性が10日前からのふらつきと歩行障害で脳神経外科に入院した。MRIで脳内病変が多発していた。その6日後に左眼に飛蚊症が生じ,眼科に紹介された。矯正視力は両眼1.2,左眼に硝子体に細胞浮遊と乳頭の耳側に出血を伴う0.5乳頭径(DD)の滲出があった。滲出は2週後に1DDに拡大し,視力は0.04に低下した。脳内病巣は最盛期には150個以上あった。開頭手術でastrocyteの腫脹があったが,腫瘍ないし炎症の所見はなかった。抗生物質投与だけで,神経症状,脳内病変,眼底の滲出性病変が改善した。脳と滲出性網脈絡膜炎の病因は不明であったが,同時期に寛解したことから共通した全身病が関連していると推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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