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特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3)
原著
文献概要
(P−2-59) 8歳男児が近視で眼科を受診し,乳頭陥凹の拡大が左眼に発見された。喘息とアトピー皮膚炎があり,ステロイド軟膏を使用していたが顔面には塗布していない。眼圧は右18mmHg,左19mmHgであった。左眼に鼻側下法の視野欠損があり,緑内障が疑われた。左眼圧は4か月後に22mmHgになった。点眼治療を行ったが眼圧は30mmHg台に上昇し,当科を紹介された。緑内障として点眼治療を追加したが,左眼の視野欠損が進行し,その2か月後に線維柱帯切除術を行った。以後7か月間,薬物なしで左眼圧は10mmHg台に維持され,視野欠損の進行もない。患児とその父に,緑内障の遺伝子ミオシリンの変異はなかった。このような若年でも原発開放隅角緑内障が起こりうることを示す症例である。
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