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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

放射線療法中に一過性の著しい視力低下をきたした眼原発の悪性リンパ腫の1例

著者: 宮尾洋子1 多田玲1 小泉範子1 山田英明1 木下茂1 池田恒彦2

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.929 - P.932

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(P−2-80) 56歳女性が2年前からの両眼の視力低下で受診した。慢性ぶどう膜炎としてステロイド薬の全身と局所投与を受けていたが寛解しなかった。矯正視力は右0.8,左0.5であった。MRIやGaシンチを含む全身検査では異常がなぐ硝子体細胞診で眼原発の悪性リンパ腫の診断が確定した。1日2Gyの放射線照射の開始後7日目に右眼黄斑下にニボーを伴う滲出物が出現し,右視力は0,07に低下した。ステロイド薬の全身投与では滲出は消失し,13日後の右眼視力は1.0に回復した。本症では放射線照射中に病像が一過性に悪化することがあり,保存的な療法でこれが寛解する場合のあることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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