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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

網膜内境界膜下に滲出物が蓄積した感染性眼内炎の1例

著者: 中井正基1 雑賀司珠也1 岡田由香1 大川記羊美1 白井久美1 宮本武1 石田為久1 大西克尚1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.947 - P.950

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(V−18) 50歳男性が左眼視力低下で受診した。2日前に鍬で土壌を耕していて左眼に異物感を自覚している。矯正視力は右1.5,左光覚弁,眼圧は左41mmHgであった。左眼に外傷性白内障と前房蓄膿があった。Bモードエコーとコンピュータ断層撮影で眼内に異物があり,同日,硝子体手術を行った。術中の所見として,内境界膜下に多量の滲出物があり,これの除去に内境界膜剥離が必要であった。眼内レーザーと拡張性ガスによるタンポナーデを行って手術を終わった。手術から4か月の現在,左眼矯正視力は0.08で,炎症所見はない。眼内異物が原因で受傷後早期に発症した眼内炎に対して,速やかな硝子体手術が有効であることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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