icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

黄斑部網膜前出血と網膜下出血合併例に対する網膜内境界膜切開と硝子体気体注入術

著者: 毛塚潤1 中田安彦1 岩崎琢也1 臼井正彦1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.951 - P.955

文献購入ページに移動
(P−2-133) 網膜細動脈瘤に続発した黄斑部網膜前と網膜下出血が同時にある3眼に,硝子体内気体注入と内境界膜切開術を行った。1眼では硝子体手術により後部硝子体剥離を作成し,t-PA(プラスミノーゲンアクチベータ)の滴下後にSF6ガスを注入したところ,網膜前出血が増強し,YAGレーザーで内境界膜切開を追加した。第2眼では硝子体手術で内境界膜を切開し,SF6ガスを注入した。両眼とも,出血と硝子体混濁が速やかに消失した。第3眼にはYAGレーザーによる内境界膜の切開とSF6ガスの注入を行ったが,硝子体混濁が長期間持続した。多量の網膜前と網膜下出血が同時にある場合には,早期の網膜内境界膜切開と気体注入術が出血除去に有効であること,術後の硝子体混濁を避けるには硝子体手術の併用が望ましいことが結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?